マクラメ編みとは?必要な材料から基本の編み方まで徹底解説
最近、インテリアとしても再注目を浴びている「マクラメ」をご存じでしょうか?
アクセサリーやインテリアとして活用されているマクラメについて、この記事ではマクラメ編みを行うにはどのような材料が必要かから基本的な編み方まで、本記事で全てお伝えいたします。
マクラメ編みとは?
2本以上の長いもの 紐(ひも)や糸を使用し結び編みにて装飾的につくられたもの。
マクラメ編みアクセサリーの場合、紐だけで編まれたものや天然石・ガラス・ビーズ・木材などと共に編むもの。
基本をしっかりおさえることは大切ですが、あとは自由に形状できオンリーワンを製作できる楽しみがあります。
マクラメとは?
マクラメの発祥
メソポタミア地方の古代都市であるバビロンやアリッシリアの彫刻にマクラメの装飾や飾る結び房は描かれているとあります。
マクラメの語はアラビア語のmacramia に由来しているという説、トルコ語で makrama に由来しているというものもいるそうです。
15世紀頃、組紐からボビンレースが始まる、その間にマクラメレースが存在したこととなる
16、17世紀の頃 編み物が産業として発展し職人がうまれ経編機が登場する17世紀後半 メアリー2世が宮廷の女官に教えて以来マクラメがひろまったと言われている。
ヴィクトリア時代イギリスで人気があり、当時のテーブルクロスやベットカバーなどにマクラメ編みが施されている。
日本とマクラメ
明治時代10年代後半、日本は欧化政策の推進に必死で取り組む。日本に力織機が導入される。
明治中期、女学生のファッション(ハイカラ)が注目される。
西洋文化が一気に流れ込んだ日本で手芸としてマクラメが楽しまれるようになったようです。
明治時代20年頃には欧化政策の熱も冷め和服が圧倒的多数になる。
関東大震災、洋服の機能性が見直され簡易服の流行へつながる。
第二次世界大戦後は極端な物資不足に見舞われ更生服が作られる。
マクラメブームは 明治時代、昭和のはじめ、第二次世界大戦後、1980年代に到来したといわれています。
縄文時代からの文化
縄文時代の遺跡から5つ組の断面が出土しています。
また縄文時代は繊維の束に撚りをかけてつくり出したもので一部では縄文原体というそうです。
組紐文化をみましても 弥生時代には卑弥呼の使者・なしめが中国・魏の皇帝から金印と共に組紐が送られたと言われています。
7世紀以降、遺隋使などの派遣等によって大陸との交流が活性化、高度な組紐とその技術が伝来したとあります。
その後、組紐は鎧のほか馬具や刀を腰に結びつけるための下緒、刀を握りやすくするための柄巻等に使われたり、
江戸時代になると茶道具や根付け羽織紐などに用いられました。
紐、綱をみましても 古来より繋ぐ役目でもあり別ける役目でもありました。
神道においてはその結び目にも神が宿ると考えられていました。
そもそも結びとは産霊(ムスヒ)ムス(生み出す)ヒ(神霊の働き)のことで、
子供のことをムスコ、ムスメというのも本来はムスビヒコ、ムスビヒメという
おむすび🍙も同様、神聖な米を結び、それを食べる事で命を繋ぐ(命を産む)というように。
また、結婚、締結などの言葉にも使われているように日本において結ぶ事によりそこに想いが宿り、それを使う人や持つ人の想いと結ばれる事により新たな幸福が産まれるとされました。
日本のなかで、紐等において 実用的なものと精神的なものと 大切にしていたのだと思います。
日本の装飾出土品(山形県)
古墳時代後期、山形市の東の丘陵に径9〜18m円墳が確認された。鏡、玉、櫛、直刀、紡錘車(糸を紡ぐための道具)などが出土された【お花山古墳出土品】
(山形県立 うきたむ風土記の丘考古資料館より)
管玉、勾玉、
小玉
が展示されていました。
古代はどのような意味があったのかはわかりませんが、今のアクセサリーに近い形をしていますね。
マクラメ編みアクセサリーに必要な材料・道具
ここまではマクラメの歴史など少し堅苦しい話をして参りましたが、いよいよ実践的な話に入っていきたいと思います。
初めての方がまず悩むのがマクラメの紐です。実際に「何を選べばよいですか?」という質問はよくいただきますので、まずは紐の選び方からご説明します。
マクラメの紐の選び方
マクラメアクセサリーを製作する際、ワックスコード(ポリエステルの糸に、ロウ引き加工を施した紐)を使用すると
メーカーによって異なりますが編んだ時の感触や見栄え、結んだ時の締まり具合や強度、熱で溶かした後の紐の落ち着き具合があります。
ただしメーカーによって 優しい感じに仕上がったり、キチッと出来上がったり、それぞれ持ち味が違います。
それも楽しみのひとつです。
こちらは、編んだ様子になります。同じ編みでも仕上がりの長さや幅、雰囲気などそれそれ違います。
【 LINHASITA 】
材質 ポリエステル
ブランド LINHASITA
ブラジルの糸メーカー
ロウビキ(ワックス)の部分は、パラフィン、鉱物油、松ヤニの成分。
染料は合成染料(アゾ化合物)

【 貴石工房PUCK 】
材質 ポリエステル
販売店 有限会社 百花(ひゃっか)
オリジナル蝋引き紐
蝋引き加工した紐
色彩「和の色」が特徴
蝋のつき方が比較的薄めでサラサラしており、柔らかさがあります。

【 メルヘン アート】
材質 ポリエステル 100%
メーカー MERCHEN ART メルヘンアート
糸に結びやすい樹脂加工を施したコード。

【 貴和製作所 】
材質 ポリエステル 100%
ブラジル製ワックスコード
ワックス(ロウ)加工が施されたコード。
必要な材料と道具
マクラメボード
マクラメ編みを行う際、紐をマクラメボードにおさえて編み初めます。
形を作るとき 整えるとき ピンを刺して紐の方向を決めるとき。ボードに書かれているマス目は一目で長さが確認でき便利です。
マクラメピン
目玉クリップ
マクラメボードに紐を押さえるときに使っています。
はさみ
蝋がついている紐を切る際、切りやすいハサミです。
メジャー
紐の長さをはかったり、出来上がり寸法の確認に使っています。
目打ち
マクラメ編みアクセサリーを編んでいて編み目の訂正や編み目の確認の際に便利です。
ライター
マクラメ編みアクセサリー に使っているワックスコードに蝋がついているため、火で仕上げる際に使っています。
(取り扱いに注意です)
プロワックス
細いワックスコードなど蝋のつきが弱いと思ったときに紐につけています。
マクラメ編みの種類 マクラメの基本の編み方
平編み
青の紐を白とピンクの紐の上を横切らせ、その青の紐の上に黄の紐をのせます。
黄の紐をピンク・白の紐の下から青の紐の上に通します。
黄と青の紐を引きます。
同じように、青の紐をピンク・白の紐の上にのせ、黄の紐を白・ピンクの下から青の紐の上に通します。
青と黄の紐を引きます。
平編み1回の完成です。
平編み2回の完成。
平編み9回の完成です。
タッチング結び 右タッチング
白の紐の上にピンクの紐をのせます。
ピンク紐を白紐の下を通し、右のピンク紐の上を通します。
白紐の下をくぐらせます。
白紐の上を通り、ピンク紐の下を通します。
引き締めます。
4回 右タッチングしました。
タッチング結び 左タッチング
黄の紐の上を青の紐をのせます。
青紐を黄紐の下を通し、右の青紐の上を通します。
黄紐の下をくぐらせます。
黄紐の上を通り、青紐の下を通します。
引き締めます。
4回 左タッチングしました。
右タッチング・左タッチング
ねじり結び 左上ねじり
白紐を茶紐の上において、その上にピンク紐をおく。
ピンク紐を茶紐の下を通しそのまま白紐の上を通す。
白紐・ピンク紐を均等に引き締める。左上ねじり編み 1回の完成です。
今までの3枚の写真のような手順で、左にある紐をのせて編んでいく。
ここではピンク紐を茶紐の上におき、その上に白紐をおく。
白紐を茶紐の下を通し、そのままピンク紐の上に通す。
ピンク紐・白紐を左右に均等に引き締める。
左上ねじり編みの完成です。
ねじり結び 右上ねじり
黄紐を茶紐の上において、その上に青紐をおく。
青紐を茶紐の下を通しそのまま黄紐の上を通す。
青紐・黄紐を均等に引き締める。左上ねじり編み 1回の完成です。
今までの3枚の写真のような手順で、左にある紐をのせて編んでいく。
ここでは青紐を茶紐の上におき、その上に黄紐をおく。
黄紐を茶紐の下を通し、そのまま青紐の上に通す。
青紐・黄紐を左右に均等に引き締める。
右上ねじり編みの完成です。
巻き結び 巻き結び
取り付ける紐(青紐)を2つ折りにし横の紐(黄紐)の下におきます。
青紐の折った部分を黄紐の上を通し手前にたおし、紐の両端を輪に通し引き出します。
引き締めます。
青紐の端をそれぞれ手前から黄紐にかけくぐして、輪の中から引き出します。
引き締めて完成です。
巻き結び 2つ折り
とりつける紐(ピンク紐)を2つ折りにし、横の紐(白紐)の下におきます。
ピンク紐の端を2つ折りにした部分の輪に通します。
引き締めます。
巻き結び 左斜め巻きむすび
白紐を左斜めに(デザインしたい方向に)引っ張ります。
白紐の下を通っているピンク紐の右から白紐の上を通しそのまま白紐の下をくぐらせ写真のようにします。
●斜め方向に引き締めます。●
ピンク紐を白紐の上を通します。
そのまま白紐の下、ピンク紐の上のスペースを通します。
このように通っています。
斜め方向に引き締めます。
分かりやすい写真にしてみました。
●結ぶ際、白紐に巻いている部分は隙間を作らないほうが綺麗に仕上がると思います。●
巻き結び 右斜め巻きむすび
黄紐を右斜めに(デザインしたい方向に)引っ張ります。
黄紐の下を通っている青紐の右から黄紐の上を通しそのまま黄紐の下をくぐらせ写真のようにします。
●斜め方向に引き締めます。●
青紐を黄紐の上を通します。
そのまま黄紐の下、青紐の上のスペースを通します。
斜め方向に引き締めます。
分かりやすい写真にしてみました。
●結ぶ際、黄紐に巻いている部分は隙間を作らないほうが綺麗に仕上がると思います。●
まとめ
今回、マクラメ編みとは?どのようなものなのか?
と興味を示していただきありがとうございます。
前半ではマクラメの歴史や、日本の編みや結びの文化を私なりに調べまとめてみました。
自分にできるかしら?と思われるかもしれません。
まずは
皆さんがよく手にする紐を「試しに」「 少しでも良い」から、「編んでみる」
そんな自由に手軽に始めてみることができる。ものだと思いますので
後半にある『 マクラメ編みの種類』を見ながら 近くにある紐で編んでみて下さい。
自分の想像しているものを制作できるかしら?と思っていらっしゃるかもしれません。
私は 紐の編みの組み合わせで自分の想像をインテリアやアクセサリーに変化させることができる可能性があるものだと思います。
自分のオンリーワンを形にして、飾ったり、身につけたり…
自分のために、誰かのために…
素敵なものを制作してみてください。
そんな時に『 マクラメ編みアクセサリーに必要な材料・道具 』をご覧ください。
『 マクラメの紐の選び方 』は私が「マクラメ編みアクセサリー」を制作した時の紐を取り上げてみました。
『 必要な材料と道具 』はマクラメ編みアクセサリーを制作していく際に今回のロウビキ(ワックス)がついている紐を使ってマクラメ編みを行う際に必要だと思った道具をあげました。
あなたの「ひと手」「一歩」に今回の記事を ご利用いただけますように。